今月の目の病気
MONTHLY

2017年12月
新しい検査機器 OCTアンギオ(DRI OCT TRITON トプコン)Part2
2017年9月
巨大乳頭結膜炎
2017年4月
新しい検査機器 OCTアンギオ(DRI OCT TRITON トプコン)
2016年5月
手術が難しい白内障 - 真っ白な白内障 (成熟白内障)
2016年3月
乱視用眼内レンズと新しい機械VERION(ベリオン)
2016年2月
アレルギー性結膜炎
2015年11月
特発性黄斑上膜
2015年10月
本態性眼瞼痙攣(ほんたいせいがんけんけいれん)
2015年8月
いろいろな結膜炎の見分け方
2015年6月
新しい白内障手術機械(センチュリオン アルコン社製)
2015年4月
手術が難しい白内障(チン小帯脆弱例)について
2014年12月・2015年1月
緑内障について
2014年11月
ドライアイと涙点プラグ
2014年10月
スマートフォンによる眼底写真撮影
2013年4月
近視性網脈絡膜萎縮
2013年3月
ポリープ状脈絡膜血管症
2013年2月
ぶどう膜炎
2012年5月
近視性脈絡膜新生血管
2012年3月
涙点閉塞
2012年2月
結膜下出血
2011年12月
結膜結石
2011年11月
中心性しょう液性脈絡網膜症
2011年10月
加齢黄斑変性
2011年9月
オルソケラトロジー
2011年8月
多焦点眼内レンズ(白内障手術)
2011年7月
緑内障の手術後(線維柱帯切除術後)の注意点
2011年6月
眼瞼腫瘍(パピローマ)
2011年5月
網膜中心静脈閉塞症による黄斑浮腫
2011年4月
網膜硝子体牽引症候群
2011年3月
硝子体出血
2011年2月
網膜硝子体牽引症候群
2011年1月
網膜細動脈瘤による黄斑浮腫
2010年12月
特発性黄斑上膜
2010年11月
翼状片(よくじょうへん)
2010年10月
ドライアイ
2010年9月
眼窩脂肪ヘルニア
2010年8月
後発白内障
2010年7月
白内障手術後に生じた黄斑浮腫 (Irvine-Gass syndrome)
2010年6月
白内障の硬さと手術の難しさ
2010年5月
乱視のある方の白内障手術
2010年4月
春季カタル
2010年3月
飛蚊症と網膜裂孔・網膜剥離

新しい検査機器 OCTアンギオ(DRI OCT TRITON トプコン)Part2

糖尿病網膜症は網膜の毛細血管がつまる病気です。
毛細血管がつまると、網膜の栄養や酸素が足らなくなるので、新しい血管(新生血管)が生えてきます。
新生血管は出来立てなので、血管の壁が弱い。
そのため、出血しやすい。
眼の中に血が溜まると見えにくくなります。

毛細血管がつまっている場所をレーザーで治療することで、新生血管が生えないように予防できます。

毛細血管がつまっている場所を検査するには、フルオレセインという造影剤を肘から注射し、白黒の写真を撮ってつまっている場所を確認します(FAG)。

新しい検査機器OCTアンギオで、血管がつまっている場所がわかるようになりました。

OCTアンギオのいいところは、FAGと違い、
造影剤の注射は必要なし
まぶしくない

このように、楽に検査を受けることができます。

ただし、欠点もあります。
映せる範囲が狭い
よく目が動く方は鮮明に撮れない

負担の少ない検査なので、OCTアンギオ出番が増えそうです。

  • 写真1

    カラー眼底写真。糖尿病網膜症の方です。白い斑点(軟性白斑)がたくさんあり、血管がつまっていそうです。

  • 写真2

    フルオレセイン蛍光眼底検査(FAG)。やや暗く映っているところが血管のつまっているところ。

  • 写真3

    OCTアンギオ。血管のつまっているところが、真っ黒になるので、FAGよりわかりやすいです。

巨大乳頭結膜炎

病名 巨大乳頭結膜炎
症状 かゆみ、目やに、コンタクトがずれる
原因 コンタクトについた目に見えない汚れ(2週間の使い捨てタイプに多い)
治療 コンタクトをはずす(治るまで 1か月以上かかることが多い)+ 目薬
  • 写真1

    ▲上まぶたの裏側です。ブツブツと充血があります。このブツブツにひっかかってコンタクトがずれるわけです。

  • 写真2

    ▲正常のまぶたの裏側です。

新しい検査機器 OCTアンギオ(DRI OCT TRITON トプコン)

新しい検査機器 OCTアンギオ(DRI OCT TRITON トプコン)

  • 写真1

    例えば 一カ所だけ赤い点(青矢印)が眼底にありました。

  • 写真2

    原因を調べるために、これまではフルオレセイン蛍光眼底検査(FAG)を行います。
    FAGは、「いや」な検査です。
    お薬を肘から注射。人によってはそのお薬が体に合わず、嘔吐することもあります。
    その後、眼底写真を撮りますが、フラッシュがまぶしいので、かなり苦痛です。
    こういったことから、たった一カ所の赤い点でFAGをすることはまずありません。

  • そこで、新しく導入したOCTアンギオを使えば、

  • 写真1

    赤い点は毛細血管瘤(赤矢印)だとわかります。
    この方は糖尿病などがないので、特発性傍中心窩毛細血管拡張症と診断しました。

OCTアンギオは、

  1. ①検査時間が数秒で、手軽に検査できること
  2. ②毛細血管1本1本がFAGと比べて鮮明なこと
  3. ③表層、深層と、層別に血管の状態がわかること

がメリットです。

手術が難しい白内障-真っ白な白内障(成熟白内障)

難しいポイント ・・・ 前嚢切開です。

そこで解決方法は二つ。

前嚢とは白内障の表面を覆っている透明な膜です。
白内障を吸い取る前に前嚢をまーるく切り抜く必要があります。この作業を前嚢切開といいます。

真っ白な白内障の前嚢切開は
①前嚢がを切り取った境目がわかりにくい
前嚢切開を始める前に前嚢を緑色や青色に染めます。
こうすることでどこまで切れたか一目瞭然です。

②前嚢切開をコントロールしにくい
真ん中に正円となるように切り抜くことが理想です。
ところが、白内障の内圧が高いことが多く、うまくコントロールできず円にすることが難しいです。

当院では
切開最初の一突きを注射針で行い、できるだけ白内障の濁りを吸い、内圧を下げます。
粘弾性物質(ネバネバしたお薬)を粘性の高いものにする。
円の大きさを小さめにする(手術の最後に予定の大きさに拡大します)
などで対処しています。

このように通常の白内障手術と比べると手間がかかります。

  • 写真1  

    ▲白内障術前写真

  • 写真2  

    ▲オフサグリーンというお薬で、白内障の表面を緑色に染めています。

  • 写真3  

    ▲白内障の表面の膜を丸く切り抜いています。

  • 写真4  

    ▲白内障術後写真。

乱視用眼内レンズと新しい機械VERION(ベリオン)

白内障手術を行っても、乱視があれば、ピントが合わずぼやけます。

そこで解決方法は二つ。

① メガネをかける 乱視があっても、メガネをかければ見えます。
② 乱視を弱める眼内レンズを使った白内障手術を行う。

乱視用眼内レンズは正しい角度で挿入する必要があります。
挿入角度がずれると、乱視を弱める効果が少なくなります。

当院では VERION(アルコン社製) が使えるようになりました。
手術中、結膜の血管を目印に目の向きを把握し、常に正しい乱視角度を目に映してくれます。
あとは眼内レンズの角度をそれに合わせるだけです。

患者さんの生活、お仕事でメガネなしで見たい距離が変わります。
それに合わせて、眼内レンズの度数や、乱視用、多焦点を使うかを決めます。

それをいかに計画通りに行えるか。

VERIONを使うことでより正確に手術ができるようになりそうです。

  • 写真1  

    ▲黄緑色の点線をVERION映し出しています。
    太い方の点線に眼内レンズの角度を合わせます。
    (写真のレンズは乱視用のレンズではありません。試しに乱視軸を出してみました。)

  • 写真1  

    ▲前嚢切開(C.C.C.)モード。白い点線に合わせて、前嚢切開します。
    まわりの茶目(虹彩)に影響されずに切開できます。
    切開の大きさ(写真では5.5mm)も自由に変更できます。

  • このほかの機能として、目の中に器具を出し入れする傷口の位置を決まった位置に映すことができます。
    術後、VERIONで角膜乱視を測定することで、手術によって起こる乱視も計算できます。
    これも結膜血管の位置を照合するので、より正確に測定できます。

アレルギー性結膜炎

病名 アレルギー性結膜炎
症状 かゆみ
原因 花粉(花粉が原因のアレルギー性結膜炎をとくに花粉症と呼びます。)
ホコリ、ダニ、イヌ、ネコ、ガなど。
冬場は暖房器具から出てくるホコリなどが多いです。

これらに対してアレルギーのある人に発症します。
治療 目薬でかゆみを抑えます。
目薬は症状を一時的に抑えているだけで、根本的に治しているわけではありません。
目薬をさしてもなかなか治らないのはそのためです。

目薬をさして、かゆみを少し和らげながら(かゆみがなくなるわけではありません)、花粉など原因となる物質が自然となくなるのを待つ。というイメージです。
かゆみの原因を調べる方法 目のかゆみを起こすことが多いネコ、ダニ、カモガヤ、ブタクサ、ヨモギ、イヌ、ゴキブリ、スギ以上8項目にアレルギーがあるか調べる検査があります。
指先から、痛くない針で突いた後、出てきた少量の血液から検査します。
20分で結果が分かります。

かゆみの原因がわかれば、ある程度その対策を立てることができます。
ダニが原因であれば、最低週2回掃除機がけ、週1回寝具の掃除機がけなど。
  • 写真1  

    ▲アレルギーの原因を調べる検査の結果です。
    d1の項目に赤棒が出ています。
    ダニにアレルギーがあることがわかります。
    他の項目にはアレルギーがないことがわかります。

特発性黄斑上膜

病名 特発性黄斑上膜
病態 まっすぐな線がゆがんで見えたり、視力が低下します。
中年以降の女性に好発します。無症状のものを含めれば結構多い病気です。
治療 この病気は手術で治します。
ただし自覚的に良くならないことが多く、今以上に悪くならないようにする治療です。
ということは、良く見えているときにした方がいいわけです。

しかし、
①よく見えているときに手術することになかなか踏ん切りがつかない
②手術しなくても視力低下しないかもしれない
③確率は低いが網膜剥離の合併症がある。

ということから、手術をするかどうか迷うところです。

当院では視力0.7以下で手術をすすめています。
当初手術のご希望がなければ、視力がさらに低下した段階でおすすめします。
  • 写真1  

    ▲手術前の眼底写真です。水色矢印が黄斑です。

  • 写真2  

    ▲手術前の網膜断層写真(OCT)です。水色矢印が黄斑上膜です。

  • 写真3  

    ▲手術翌日の眼底写真です。緑矢印が網膜出血と網膜浮腫。これは経過とともに良くなります。青色矢印白い点は手術中に使ったお薬です。これも時間とともになくなります。

  • 写真4  

    ▲手術翌日のOCTです。水色矢印は黄斑上膜の切れ端です。黄斑上膜の大部分は取り除かれています。

本態性眼瞼痙攣(ほんたいせいがんけんけいれん)

病名 本態性眼瞼痙攣(ほんたいせいがんけんけいれん)
病態 「目がゴロゴロする」
「目を開け続けることができない」
「まぶしい」
「目が疲れる」
などなど。
ドライアイの症状とよく似ているので、目薬で様子を見ていることもしばしばです。

速い「まばたき」、強い「まばたき」をすると・・・
目を開ける時にものすごく力が入る
開けるのに時間がかかる
目を開けることができない
のような状態を見て眼瞼痙攣と診断します。
治療 大変つらい症状ですが、目の周りにボトックスという薬を注射をすることで、2-3か月は楽になります。
  • 写真1  

    ▲目を開けようとしているがなかなか開かない状態です。
    (HealthGSK.jpより引用)

いろいろな結膜炎の見分け方

結膜炎は「充血」、「めやに」などが主な症状です。
結膜炎にもいろいろな原因があります。

大きく分けて3種類。細菌性結膜炎、ウイルス性結膜炎、アレルギー性結膜炎です。
特にアデノウイルスによるものは、俗称「はやり目」というくらい移りやすく、症状も強いです。
治るまで2週間かかる場合があります。
学校、幼稚園は他の人に移さないためにも休まなくてはなりません。

結膜の状態、「めやに」が透明、リンパ節が腫れているなどから多くの場合診断できます。
しかし時にヘルペスウイルスによる結膜炎など見分けがつきにくいことがあります。

そこで、当院では「めやに」を顕微鏡で見たり、ウイルスを検出するキットを使ったりして、結膜炎の原因を調べています。
下まぶたをアッカンベーしたところに綿棒で少しこするだけです。

今年はやり目は例年と比べて多いと思います。手をまめに洗い、目をこすらないようにして予防しましょう!

  • 写真1  

    ▲写真① 「めやに」の光学顕微鏡写真です。リンパ球が写っています。「はやり目」が疑われます。

  • 写真2  

    ▲写真② 好中球が写っています。細菌性結膜炎が疑われます。

  • 写真1  

    ▲写真③ 「イムノエースアデノ」という検査キットです。写真は陽性(Tの上に黒線)です。「はやり目」と診断できます。

新しい白内障手術機械(センチュリオン アルコン社製)

写真1

今まで使っていた機械(レガシー アルコン社製)と比べると、

① 目の中の水圧が安定している。
白内障の濁りを吸い切った瞬間、目の中の水圧が下がります。
それを補うために、手術機械から目の中に水を足しています。
目の中の水圧変化がない方がが目は痛くありませんし、手術もやりやすいです。
センチュリオンは水を足す量をコントロールし、目の中の水圧をできるだけ一定に保ちます。
② 短時間で白内障の濁りを吸うことができる。
白内障手術装置の先端部分、バランスチップというものです。
くねくねした形です。
レガシーはこの先端が前後に動くのみでした。
くねくねしているので、前後方向に加え、横や斜めにも動きます。
動く範囲が広い分、短時間で多くの濁りを砕き吸い取ることができるわけです。

レガシーに比べるとセンチュリオンは濁りを吸い取っている最中も目の中が穏やかで、安定しています。
濁りが硬く難しそうな白内障であっても、楽に手術ができるようになりました。

手術が難しい白内障(チン小帯脆弱例)について

手術が難しい白内障はいくつか決まったパターンがあります。
その一つにチン小帯が弱い場合があります。
白内障(水晶体)は何本もの細い糸でちょうどトランポリンのように支えられています。

このチン小帯が弱くなると、伸びたり、ちぎれたりします。

ところで、白内障手術は白内障を包んでいる袋(水晶体嚢)を残し、その袋の中に眼内レンズを固定します。

チン小帯がちぎれていると、水晶体嚢の支えがなくなるので、眼内レンズをうまく固定できなくなります。

そこで、登場するのが水晶体嚢拡張リングです。「CTR」と略します。(最近厚生省より認可されました)
CTRを使うことでほぼ通常の手術のように行うことができるようになります。

CTRを使うと手術は速く終わります。

しかし、10年後、20年後、年齢ととともにチン小帯がさらに弱くなります。
場合によっては、水晶体嚢、それに包まれている眼内レンズ、CTRも眼内に落下する可能性があります。
その場合再手術が必要です。

将来のことを考えると、CTRを使った方が良いか、入れないほうが良いか。
手術中の患者さまの目の状態で決めていきます。

  • 写真1  

    ▲写真② 水晶体嚢拡張リング(CTR)です。

緑内障について

緑内障は視野がかけていく病気です。
目薬ときには手術で眼圧を下げて、視野が欠けていかないように予防します。
定期的に視野検査を行い、視野が欠けていっているようなら眼圧をさらに低くするために目薬を変更します。

「視野が欠けていっているのか?」を判断するのがときに難しい場合があります。

いままでは、視野の結果を紙に印刷し、過去のものと見比べながら判断していました。
この度、新しく導入したFORUMは視野検査の「過去のもの」から「たった今」行った検査まで解析し、リアルタイムにグラフにすることで、視野が悪くなっているのかどうか判断しやすくなりました!

  • 写真1  

    ▲写真①FORUMの画面です。

ドライアイと涙点プラグ影

涼しく過ごしやすいこの時期。
「目がクシャクシャ、ゴロゴロ」「涙がにじむ」「寝起きに目ヤニが出る」などなどの症状を訴える方が増えてきます。

病名 ドライアイ
病態 涙が乾くことが原因です。ひどい場合は角膜(黒目)にキズができ、症状が増します。
治療 目薬。
目薬では症状を抑えられない場合、涙点プラグなど。
  • 写真1  

    ▲写真①「目がゴロゴロ」する症状の方です。角膜にキズがあります。(白点線で囲まれた部分)

  • 写真2

    ▲写真② 目薬では症状・角膜のキズとも改善なし。そこで涙点プラグを入れました。(青点線で囲まれた部分)

  • 写真3

    ▲写真③ 涙点プラグ挿入後1ヶ月。症状・角膜のキズとも改善しました。写真①と比べて、黄緑色の線の幅(青矢印)が長くなっています。涙点プラグは涙をためて乾きにくくする方法です。

スマートフォンによる眼底写真撮影

眼底写真は通常眼底カメラで撮影します。

ところが、
腰が曲がって、顔をのせる所まで届かないなどの身体的理由、往診先で眼底カメラがないといった場合、今まで眼底写真をとることができませんでした。
スマートフォンで眼底撮影できるという発表があり、試してみました。

ちゃんと撮れました!

写真には視神経が写っています。
これで、患者さま、ご家族に病状説明がしやすくなります。

「スマートフォンによる前眼部および眼底撮影」
周藤 真ほか (筑波大) 日本眼科学会雑誌 第118巻第1号

近視性網脈絡膜萎縮

病名 近視性網脈絡膜萎縮
症状 強度近視は目の長さが前後に長くなっています。目の壁も引き伸ばされ薄くなり、傷んできて、視力、視野障害をおこします。
  • 写真1  

    ▲強度近視の方の眼底写真です。黄白色に変色しいるところが傷んでいるところです。

  • 写真2

    ▲同じ眼の自発蛍光写真です。黒く丸いところ(赤矢印)が完全に傷んでいるところ。やや濃い白の範囲(水色矢印)は傷み始めているところです。

ポリープ状脈絡膜血管症

症状 視力低下、ものがゆがんで見える
病名 ポリープ状脈絡膜血管症
網膜の中でも視力に大事な黄斑という場所に出血や、水ぶくれをおこす病気です。
治療 視力がよい場合(0.5以上)はルセンティスやアイリーアの硝子体注射、視力が悪い場合は光線力学的療法(PDT)も行います。
  • 写真1  

    ▲眼底写真です。青矢印の先にある薄い赤オレンジ色の丸いところが、ポリープ状病巣です。

  • 写真2

    ▲インドシアニングリーン(ICG)蛍光眼底検査。ポリープ状病巣(赤矢印)がよりわかりやすいです。

  • 写真3

    ▲眼底断層撮影(OCT)。治療前です。水ぶくれ(赤矢印)があります。

  • 写真4

    ▲アイリーアという薬を注射しました。水ぶくれはなくなっています。

ぶどう膜炎

症状 目がかすむ
病名 ぶどう膜炎
目の中に原因不明の炎症を起こす病気です。
治療 ステロイドというお薬を目薬、眼底の炎症には飲み薬、点滴、注射。
  • 写真1  

    ▲角膜後面沈着物(KP) 黒目の裏側のブツブツです。(水色矢印)

  • 写真2

    ▲虹彩結節 瞳の縁の白っぽいできもの。(赤色矢印)写真1と同様、炎症が起こると出てきます。

  • 写真3

    ▲硝子体混濁 目の中のにごりです。(青色矢印)増えると視力が低下します。

近視性脈絡膜新生血管

症状 もともと強度近視。コンタクトしても見えにくくなってきた。
病名 近視性脈絡膜新生血管
治療 ルセンティスまたはアバスチンという薬を目の中に注射します。チクッとしますが痛みは軽いです。
  • 写真1  

    ▲眼底写真です。脈絡膜新生血管(青矢印)があります。小さいうちに治療したほうがいいです。

  • 写真2

    ▲眼底の断面図(OCT)です。脈絡膜新生血管(赤矢印)と、新生血管から水が漏れ、水ぶくれ(黄矢印)ができています。これが視力低下の原因です。

涙点閉塞

症状 涙がこぼれる まぶたのふちがただれる
病名 涙点閉塞
まぶたのふちに開いた小さな穴が涙点です。上まぶた、下まぶた1箇所ずつあります。
この穴はノドのほうへとつながる管の入り口です。
入り口がふさがると当然涙は外へこぼれます。
治療 手術で治します。
入り口を小さなナイフで切ったあと、シリコンチューブを切った穴へ通して留置します。
数ヶ月してからシリコンチューブを抜きます。
  • 写真1 

    ▲正常の涙点です。

  • 写真2

    ▲涙点がつまっています。

結膜下出血

症状 突然白目が真っ赤に!
病名 結膜下出血
治療 自然に良くなります。(目薬は必要ありません)
結膜の血管は細くて弱いです。これといいった原因がなくても出血しやすいところです。鼻血と同じ理屈です。
一旦出た血はゆっくり自然吸収します。1週間から2週間かかりますので、気長に待ってください。
  • 写真1

結膜結石

病名 結膜結石
症状 ゴロゴロ、チクチク。異物感。
年齢とともに出やすい体質の方は出てきます。慢性の炎症が原因といわれています。
治療 針でほじくりだします。
  • 写真1 

    ▲下まぶた。アッカンベーをしたところです。白い粒が結膜結石です。

中心性しょう液性脈絡網膜症

病名 中心性しょう液性脈絡網膜症(眼底の網膜に水ぶくれができる病気です)
症状 視野の真ん中あたりが暗い、サングラスかけたように見える、色あいが違う、視力低下
中年の男性に多いです。ストレスが原因といわれています。
治療 ほとんどの場合、自然に治ることが多いので、まず待ちます。
3ヶ月たっても治らなければ、レーザー、PDT、などを行います。治療せず、様子を見ることもあります。
  • 写真1 

    ▲初診時。眼底写真です。よく見れば、水ぶくれがあります。

  • 写真2

    ▲初診時。OCT(眼底の断面図)です。水ぶくれがあります。視力(0.9)。

  • 写真3

    ▲1ヵ月後。自然に治りました。視力(1.0)。
    治っても、生活に支障はないが、ほんの少し暗い感じとか色合いがおかしいなどの症状が残ることがちょくちょくあります。

加齢黄斑変性

病名 加齢黄斑変性(眼底の黄斑という視力に大事な部分を中心に出血したり、水ぶくれが起こる病気です)
症状 ものがゆがんで見える、視力低下
治療 ほとんどの場合、最近はルセンティスというお薬を目の中に注射します。
ルセンティスは1ヶ月に1回の注射を3ヶ月おこないます。(計3回注射します)
その後は再発したら注射します。
よく効くお薬です。
問題点は再発すると、繰り返し注射が必要になることです。
  • 写真1 

    ▲ルセンティス注射前。左眼のOCT(眼底の断面図)です。赤矢印の部分に水がたまっています(漿液性網膜剥離)。
    このままおいておくと徐々に視力が低下します。視力(0.8)。

  • 写真2

    ▲注射2回行って1週間目、水の量が減っています。視力(0.8)。
    視力は良くならないことが多いです。基本的に悪くならないようにする治療です。

オルソケラトロジー

"コンタクトを日中つけたくないけど、レーシックは受けたくない。"そういう方にむいています。
夜寝ている間にコンタクトレンズをつけて、朝起きてコンタクトをはずします。
日中は裸眼ですごせるのが最大のメリットです。

欠点は
①毎晩コンタクトをつけないといけないこと。
(コンタクトをつけないと効き目が1週間ほどでなくなります。逆に言うと元にもどるので安全です。)
②視力が上がりきらない場合がある。(約85%が視力1.0以上。95%が視力0.7以上)
③高価 両眼で15万円します。
当院でのオルソケラトロジーの視力経過
治療前裸眼視力 治療3ヶ月後裸眼視力
1 0.1 1.5
0.15 1.2
2 0.7 1.5
0.7 1.5
3 0.3 1.0
0.15 1.0
4 0.1 1.2
0.08 1.2
  • 写真1 

    ▲オルソKレンズは4段階のカーブを持つハードコンタクトレンズです。

  • 写真2

    ▲治療前の角膜トポグラフィー 角膜の表面のカーブを測る検査です。
    青いカーブがゆるいことを表します。両眼とも真ん中は水色です。

  • 写真3 

    ▲治療後の角膜トポグラフィー 真ん中が青く変わってます。近視が矯正されていることを意味します。

多焦点眼内レンズ(白内障手術)

良いところ
遠くも近くもメガネなしで見える。
これに対して、通常の眼内レンズ(単焦点眼内レンズ)では老眼鏡または、遠用メガネが必要になります。
悪いところ
自費治療(片眼45万円)で高価なこと。
①乱視がある場合(乱視用眼内レンズをいれるので)②白内障以外の目の病気があるとき(視力が良くならない可能性がある)このような場合、多焦点眼内レンズはいれません。
10人に1人はメガネが必要になります。
手術方法
通常の白内障手術を行います。眼内レンズを多焦点のものにするだけで、特別な技術を必要とするわけではありません。しいていえば、手術前の眼内レンズの度数決めが重要です。
目の長さ(眼軸長)と黒目のカーブ(角膜曲率半径)から計算するのですが、眼軸長が最も重要です。
眼軸長を測る器械は従来の超音波による方法から、最近では光学式の方が優れているといわれています。
当院では光学式、超音波両方で眼軸長を測って、良いほうを選んでます。
多焦点眼内レンズを入れた患者さまの視力経過
術前 術後 備考
遠くの
裸眼視力
近くの
裸眼視力
遠くの
裸眼視力
近くの
裸眼視力
1 右眼 0.15 0.1 0.9 0.5
左眼 0.1 0.1 1.2 0.7
2 右眼 0.1 0.1 1.2 1.0
左眼 0.2 0.3 0.8 0.7
3 右眼 0.2 0.1 0.9 0.7
左眼 0.08 0.1 0.4 0.2 黄斑上膜
  • 写真1 

    ▲多焦点眼内レンズです。レンズに幾重にも同心円があります。
    遠くのものと近くのもの、同時にピントが合う構造になっています。

緑内障の手術後(線維柱帯切除術後)の注意点

緑内障の治療は、眼圧を下げることで、視野障害の進行を予防します。
緑内障はある種の緑内障を除いて、多くの場合目薬で眼圧を下げます。
目薬では眼圧が下がりきらず、視野障害が進行する場合、やむなく手術します。

下の文は、緑内障手術の一つ、線維柱帯切除術についての話です。

この手術をすると、上方の結膜(白目)に水ぶくれ(濾過胞)ができます。
濾過胞は目の中(前房)とつながっていて、前房の水が濾過胞に漏れてきて眼圧を下げています。

濾過胞が小さくなったり、なくなると、眼圧は上がります。
濾過胞が破れると、外からのばい菌が目の中に入ります。

手術後の注意点は、

破れたり、汚い水がかからないようにしましょう。
決して目をこすらないこと。プールなどにも入らないほうがいいです。

  • 写真1 

    ▲術後3ヶ月。上方の結膜(白目)に水ぶくれ(濾過胞)ができています。
    この水ぶくれの面積が大きいほど眼圧は下がります。
    眼圧は術前46mmHg 術後12mmHg。視力1.2。

  • 写真2

    ▲術後1ヶ月。他院で数年前に手術し、当院で再手術しました。
    眼圧は術前3種類の目薬をさして25mmHg。 術後15mmHg。視力0.8。

眼瞼腫瘍(パピローマ)

病名 眼瞼腫瘍(パピローマ)
症状 見た目に困る、(まぶたのふちにできると)視界が妨げられる
原因 パピローマウイルスが感染するとおこります。いわゆる"イボ"です。
治療 症状が気になるようなら、手術で取ります。手術でとったイボは念のため"ガン"ではないか病理検査をします。多くの場合糸で縫いませんので、抜糸も必要ありません。翌日には眼帯もとれます。
  • 写真1 

    ▲術前写真です。

  • 写真2

    ▲術後1週間目の写真です。まだ切った痕はわかりますが、3ヶ月後くらいでほぼわからなくなります。

網膜中心静脈閉塞症による黄斑浮腫

病名 網膜中心静脈閉塞症による黄斑浮腫
症状 見えにくくなる、ものがゆがんでみえる
原因 網膜の血管(静脈:眼から心臓の方に戻っていく方向の血管)が根元でつまってしまう病気です。血管がつまると、心臓へ戻れなくなった血があふれだします(網膜出血)。それとともに水分も漏れてきて、 網膜の視力に最も大事な場所、黄斑という場所に水ぶくれができる(黄斑浮腫)病気です。ほっておけば視力が 0.1以下に落ちる可能性が高いです。
治療 治療しても改善しないことが多いです。悪化予防に治療すると考えた方がいいです。原因を取り除く(つまった血管を元に戻す)ことはできないので、どの治療も決め手に欠けます。アバスチンの硝子体内注射、ケナコルトAテノン嚢下注射、場合によっては手術。
  • 写真1 

    ▲眼底写真。網膜出血があります。

  • 写真2

    ▲OCT(眼底の断面図)。黄斑(網膜の中でも、視力に最も大事な場所)に水ぶくれがあります。視力(0.1)

  • 写真3

    ▲眼底写真。ケナコルトテノン嚢下注射後3カ月。無血管野に対してレーザーをおこなった。

  • 写真3

    ▲写真2と同じ日のOCT。黄斑が正常な形に回復しつつあります。f視力(0.4)。6か月経過したが再発なし。

網膜硝子体牽引症候群

病名 網膜硝子体牽引症候群
症状 見えにくくなる、ものがゆがんでみえる
原因 網膜の視力に最も大事な場所、黄斑という場所が引っ張られて、いたんでしまう病気です。引っ張っているのは硝子体です。硝子体はもともと人間の目のなかにある透明なゼリー状のものです。年齢とともに誰でも硝子体はちぢんできます。通常なら硝子体がちぢんだ結果、網膜と離れますが、この病気の場合は、体質的に黄斑と硝子体のくっつきが強いためおこります。
治療 視力やものがゆがんで見える程度が強ければ手術。待てるようなら経過観察(自然に治ることもあります。目の病気の履歴参照してください)。
  • 写真1 

    ▲術前の眼底写真。硝子体がひっぱているかどうかはこの写真ではわかりません。

  • 写真2

    ▲術前のOCT(眼底の断面図)。黄斑(網膜の中でも、視力に最も大事な場所)が硝子体に引っ張られて、黄斑が膨化している。

  • 写真3

    ▲術中写真。硝子体カッター(青矢印)で硝子体(赤矢印)を網膜からはがしているところです。

  • 写真3

    ▲術後2週間目のOCT。引っ張っていた硝子体はなくなり、黄斑が正常な形に回復しつつあります。

硝子体出血

病名 硝子体出血
原因 糖尿病網膜症、網膜静脈分枝閉塞症など。これらは網膜の血管がつまる病気です。血管がつまると、栄養・酸素が網膜に届かなくなるので、新しい血管が生えてきます(新生血管)。この新生血管は血管の壁が弱いので出血しやすいのです。硝子体出血の一番多い原因です。
そのほか、網膜裂孔、外傷、テルソン症候群などがあります。ひとえに硝子体出血といっても原因は様々です。
他眼の状態、エコーで原因を推定しますが、手術して初めて原因が分かる場合もあります。
治療 基本的に経過観察し、出血が引かなければ硝子体手術を行います。しかし、状況によってはすぐに手術する場合もあります。
  • 写真1 

    ▲術前の眼底写真。硝子体出血のため写真全体が赤い。視力は眼前手動弁(手を振ってるのがわかる程度の視力)。

  • 写真2

    ▲術中写真。硝子体出血(青矢印)を硝子体カッター(緑矢印)で吸いとっている。術前には硝子体出血で見えなかった視神経乳頭(赤矢印)が見えている。

  • 写真3

    ▲術後2週間目の眼底写真。硝子体出血はほぼ吸収している。糖尿病網膜症が原因の硝子体出血であった。視力(0.4)。

網膜硝子体牽引症候群

病名 網膜硝子体牽引症候群 (聞きなれない病名ですが、ちょくちょくあります。)
症状 見えにくくなる、ものがゆがんでみえる
病態 網膜の視力に最も大事な場所、黄斑という場所が引っ張られて、いたんでしまう病気です。引っ張っているのは硝子体です。硝子体はもともと人間の目のなかにある透明なゼリー状のものです。年齢とともに誰でも硝子体はちぢんできます。通常なら硝子体がちぢんだ結果、網膜と離れますが、この病気の場合は、体質的に黄斑と硝子体のくっつきが強いためおこります。
治療 症状が軽ければ、経過観察(自然治癒の可能性があるため)、悪化するようなら硝子体手術
  • 写真1 

    ▲眼底写真。黄斑の一部が円形黄白色(硝子体がくっついている部分)。"真っすぐな線がゆがんで見える"症状で受診。視力(1.0)。

  • 写真2

    ▲写真1の断面図(OCT).網膜が引っ張られて、すきまがあいている(オレンジ矢印)。青矢印が硝子体。

  • 写真3

    ▲経過観察3ヶ月後の断面図(OCT).写真2にみられたすきまがなくなり、硝子体も網膜から離れた(青矢印)。ゆがむ症状も改善した。

網膜細動脈瘤による黄斑浮腫

病名 網膜細動脈瘤による黄斑浮腫
症状 見えにくくなって、ものがゆがんでみえる
病態 長年かけてコレステロールなどが、血管の壁にたまってくると、血管の壁が弱くなり、ふくらんできます。これが、網膜の血管(動脈)におこった状態です。ふくらんだ血管の壁からは血液の中の水分が漏れることがあります。視力に大事な黄斑に水漏れが広がると(黄斑浮腫)、視力が落ちたり、ものがゆがんだりします。ときには動脈瘤が破裂し、出血することがあります。黄斑に出血が広がった場合、急激に視力が低下します。
治療 状況によって、経過観察したり、レーザーで治療します。黄斑に濃い出血が広がった場合は、ガス注入、または手術する場合もあります。
  • 写真1 

    ▲青矢印が網膜細動脈瘤。まわりに出血、水漏れがある。黒矢印が黄斑。

  • 写真2

    ▲写真1の断面図(OCT).赤矢印のように盛り上がっているところは水漏れしているところ。

  • 写真3

    ▲レーザー治療後1か月。出血はなくなり、水漏れもなくなった。

  • 写真3

    ▲写真3の断面図(OCT).盛り上がっている部分がへこんだ(水漏れがなくなった)。

特発性黄斑上膜

病名 特発性黄斑上膜
症状 右眼だけでみるとものがゆがんでみえる。右目と左目で、ものの大きさが違う!
原因 網膜の中でも一番視力にかかわる大事な場所である黄斑の上に、膜がへばりついている状態。膜が網膜にへばりついて縮むことによって、網膜にしわができます。このしわが、ものがゆがんで見えたり、視力が落ちる原因です。
治療 ものがゆがむ症状が強いようなら手術します。ただし、完全には元に戻りません。手術目的は悪化予防と考えてください。
写真1 

▲眼底写真です。黄斑上膜は比較的透明で写真にははっきり写りませんが、矢印部分に網膜のしわがあります。



写真2

▲網膜の断面図です。矢印部分が黄斑上膜です。



写真3

▲手術後の網膜の断面図です。黄斑上膜は取り除かれています。

翼状片(よくじょうへん)

病名 翼状片(よくじょうへん)
原因 紫外線(戸外労働者、漁師さん、沖縄地方などに多い)
治療 手術でとります。そのあと、正常な結膜を覆います。治療時期は、乱視の増加、翼状片が、瞳を覆う前。
写真1 

▲黒目の表面に、膜(翼状片)が張っています。



写真2

▲翼状片手術後。手術後も黒目の白い濁りは残ります。このため、視力が落ちる前にとるようにしましょう。

ドライアイ

病名 ドライアイ
症状 ゴミが入ったようにコロコロする まぶしい 疲れる
治療 まずは目薬(1日6回)、目薬で効かないときは、涙点(涙の出口)をふさぐ治療を行います。
写真1

ドライアイの方です。黄緑色のツブツブが黒目のキズです。

写真2 術後2ヶ月

正常な方です。黄緑色のツブツブはありません。

眼窩脂肪ヘルニア

病名 眼窩脂肪ヘルニア
病因 本来目の奥にある脂肪が前の方に出てきてしまった状態。脂肪が前に出てこないようにせき止めている膜がお年とともに弱くなったのが原因です。だいたい両眼におこります。
治療 見た目に困るとか、異物感が出てきたときに手術で治します。
写真1

黄色く盛り上がっているのが脂肪です。

写真2 術後2ヶ月

手術後2か月です。

後発白内障

病名 後発白内障
症状 白内障手術したあと、しばらくしてまた見えにくくなった・・・
原因 白内障は水晶体が濁る病気です。水晶体はまわりは透明な袋に包まれていて、その袋の中に、白内障の濁りが詰まっています。白内障手術は水晶体の濁りだけを吸い取り、透明な袋はわざと残し、その袋の中に、眼内レンズを入れます。わざと残した透明な袋が、手術後濁ってしまうことを後発白内障といいます。
治療 レーザーで治療します。レーザーは痛みません。だいたい5分くらいの治療です。
  • 写真1

    後発白内障がある状態です。視力0.1。

  • 写真2

    レーザー治療後です。四角の形に後発白内障の濁りが取れています。視力0.9。

白内障手術後に生じた黄斑浮腫 (Irvine-Gass syndrome)

病名 白内障手術後に生じた黄斑浮腫 (Irvine-Gass syndrome)
症状 白内障手術して良く見えるようになっていたのに、またみえにくくなった
原因 白内障手術によって目の中が多少いたんでしまいます。このとき、傷を治そうと、いろいろな化学物質が出てきます。この化学物質が網膜の血管に働きかけ、血管から水分が漏れてくるのが原因といわれています。
治療 まず、内服薬や、ケナコルトAというお薬を注射します。それでも効かない場合は手術で治す場合もあります。
  • 白内障 写真01

    白内障手術後2カ月目のOCT(網膜の断面図)赤矢印部分に水がたまっています。オレンジ色矢印の部分にわずかに網膜剥離があります。視力0.4。

  • 白内障 写真02

    ケナコルトAテノン嚢下注射をおこない1週間目。たまっていた水がなくなっています。視力1.0。

白内障の硬さと手術の難しさ

白内障手術のポイントの一つとして、白内障の濁りを小さなカタマリに分割(核分割)があります。白内障の濁りはたいていの場合、そのまま器械で吸えるものではありません。ある程度の大きさに(4分の1から6分の1)に分割して、それぞれ、器械で吸っていきます。白内障の濁りには軟らかいものから硬いものまでさまざまです。硬さは、濁りの色である程度わかります。透明→白色→黄色→茶色→こげ茶色の順で硬くなります。透明が軟らかい白色が普通、黄色がちょっと硬い、茶色以降が硬いです。もちろん硬いものほど、分割しにくく、手術が難しいです。

手術をするなら、白内障の濁りが固くなる前、手術のしやすい時期にしておくことをおすすめします!

  • 白内障 写真01
    淡い白色。軟らかいです。
  • 白内障 写真02
    白色。この時点までに手術をすすめます。
  • 白内障 写真03
    こげ茶色。手術は難しいです。待ちすぎです。

乱視のある方の白内障手術

乱視とは"乱"という字が想像させるような、どうにもしようがない病気ではありません。近視とか、遠視と同じように、通常メガネをかければ、見えるようになります。

一方、白内障手術をしても、今までは乱視を矯正することは通常しませんでした。乱視のある方は、白内障手術後も乱視用のメガネが必要でした。さらには、乱視が強すぎる場合は満足のいく視力が出るメガネが作れない場合もあります。

ALCON社製アクリソフ IQ TORICは軽度から中等度の乱視を軽くすることができます。この眼内レンズを使えば、手術後、メガネをはずせる確率が今までより高くなります。(※全員メガネをはずせるわけではありません)

乱視用眼内レンズは保険適応がありますので、費用の負担は通常の白内障手術と同じです。当院では、術後乱視の影響で裸眼視力が低下すると予想される患者さまには、御説明のうえ、基本的に乱視用眼内レンズを使用します。

写真1
▲乱視用眼内レンズ。通常の眼内レンズと見た目そう変わりはありません。

写真2
▲[左] 乱視のある方で白内障手術前の見え方
  [中] 乱視のある方で白内障術後(通常の眼内レンズ)
  [右] 乱視用眼内レンズを使用した見え方

写真3
▲角膜形状解析装置(トポグラファー)です。角膜乱視の程度、角度を測定する器械です。

写真4
▲トポグラファーの検査結果画面です。直乱視(縦方向の度数が強いタイプの乱視)のパターンです。



白内障手術+乱視用眼内レンズで治療された方々の経過

表 

春季カタル

病名 春季カタル
症状 かゆみ・異物感・充血・まぶしい
春季カタルは重症化したアレルギー性結膜炎です。小学校から高校生ぐらいの年代、男の子に多いです。まぶたの裏側にぶつぶつ(乳頭増殖)ができるのが特徴的です。ひどくなると、黒目にもキズができます。春から夏にかけて症状がひどくなり、冬場にはましになります。
治療 以前はステロイド剤を結膜下に注射したり、まぶたの裏側のぶつぶつを切ったりしていました。最近新しい目薬(タリムス点眼)が発売され、多くの場合目薬だけで治療できるようになりました。ただし、これらの治療は症状をおさえているだけなので、再発しやすいです。再発しては、目薬を再開、治っては目薬中止というように経過を見て、成人になり、自然と治るのを待ちます。
写真1

▲9歳男児 かゆみ、めやに。上瞼の裏側は大きなぶつぶつ(乳頭)があります。



写真2

▲点線で囲まれた部分はトランタス斑と呼ばれるもので、白目が堤防状にはれています。



写真3

▲フルオレセインというお薬をつけると、黒目の表面の傷がわかりやすくなります。黄緑色のつぶつぶが傷です。

飛蚊症と網膜裂孔・網膜剥離

病名 飛蚊症と網膜裂孔・網膜剥離
症状 突然、黒い糸くず、点々などが見える。
治療 飛蚊症自体を治すことはできません。年齢とともに誰でも出てくる症状の一つだからです。しかし、飛蚊症が出たら眼科には必ず受診してください。なぜなら、網膜剥離というほうっておくと失明してしまう病気がひそんでいるかもしれないからです。
網膜はく離になれば、入院手術が必要です。網膜剥離は網膜裂孔(網膜に穴が開くこと)が原因です。網膜裂孔の段階であれば、レーザーで治療できます(入院の必要はありません)。早期発見が重要です。
写真1

▲青色点線で囲まれた部分が網膜裂孔です。



写真2

▲網膜裂孔のまわりに一部網膜剥離になっている部分があった(青線で囲まれた部分)。網膜剥離の範囲が狭かったので、その周りをレーザーで治療(白い部分)を行った。6ヶ月経過したが、網膜剥離の拡大なし。

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